マタニティ・ブルーズについて

マタニティ・ブルーズも産後の精神健康問題として知られています。支援する上で、マタニティ・ブルーズと産後うつ病の違いを理解する必要があります。

1) マタニティ・ブルーズとは?

・出産直後から1週間ごろまでに見られる一過性の気分と体調の変化のことをいいます。

2) マタニティ・ブルーズの頻度

・マタニティ・ブルーズの頻度は、日本では30%前後程度と報告されています。
・同じ調査方法を用いた欧米の研究では、50〜80%と高頻度で報告されています。

3) マタニティ・ブルーズの原因

・心理社会的要因として、性格(妊娠中から陣痛に対する恐れが強かったり、また不安や抑うつ感が強く、神経症傾向が見られる人、未熟な性格)、内分泌精神医学的要因としてコーチゾールの上昇、その他に月経前緊張症、初産などが報告されていますが、明確ではありません。

4) マタニティ・ブルーズの現象、徴候

<<セリフ再生>> → 「せっかく子どもが産まれたのに、何だか気持ちが落ちこんでいて・・・。夜もよく眠れないし、食欲もないんです。ちょっとしたことで緊張したり、どうしていいかわからなくなる時もあって。最近はよく泣いています。こんなんで子どもをちゃんと育てられるのか本当に不安です。」

このように、抑うつ感、涙もろさを主な症状として、緊張、不安、集中困難、困惑等の精神症状や、食欲不振、不眠、疲労、頭痛などの身体症状もよく見られます。

5) マタニティ・ブルーズの看護介入

・出産前の教育:母親自身や家族がマタニティ・ブルーズの認識を深めておくと、産後に気分の変調が現れても、本人・家族ともあわてなくてすむと言われています。マタニティ・ブルーズは病気ではないので、特別の治療は必要としません。しかし、気分の変調が長引く場合は産後うつ病の発症も疑われ、経過観察が必要です。

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