不安が強い母親への対応

 産後の女性の中には、不安が強い人も少なくありません。不安が強いとき、「不安です」という言葉で表出される場合もありますが、むしろ緊張感、怒り、依存など、非言語的に表わされることも多いものです。

不安が強い人にかかわる際に、どうすればよいでしょうか。

◆ 話を聴く際には、誠意をもって受容的態度で臨む。信頼関係が何より大切

◆ 相手の不安に巻き込まれない

・まず不安は伝染するので、相手の不安に巻き込まれない工夫が求められます。
 無意識に相手の不安に巻き込まれることもあるので、たとえば「なぜか焦りを感じた」ら、客観的に相手の様子をみましょう。そして不安の反応が表出されていないか、そっと確かめましょう。

◆ 落ち着いて関わる

・不安が強くなると、口調も呼吸も速くなりがちです。そのテンポに合わせてしまうと、お互いに不安を高めあってしまうので、あえてゆっくりとしたテンポで、落ち着いて関わることが大切です。
 相手に気づかれないように、呼吸を整えることも効果的です。

◆ 焦ってアドバイスしない

・女性から、「どうしたらよいか」と迫ってこられることがあります。そのように聞かれると、焦って答えを出したくなりますが、たとえ何かアドバイスしてもほとんど役に立ちません。
 簡単に出せる答えではないはずですし、せっかく答えてあげたはずの女性からも「そんな簡単な問題ではないんです」と怒りを買う場合さえあります。たとえば誠実な態度で「どうしたらよいのでしょうね」と一緒に悩むこともできますね。

【不安の反応】

不安の情動的反応: ゆううつ、自己卑下、自信がない、無力感、落ち着かない感じ、早くこの状態から抜け出したい感じ

不安の行動上の反応:
 口数の変化(多弁もしくは無口)、言動の変化(話題がコロコロ変わる等)、表情の変化(こわばる・暗いなど)、落ち着きのなさ(そわそわ・うろうろ)、手の震え・身震い・声の調子の変化(声高・早口・震え)、まとまりや一貫性のなさ、イライラしている、保証を求める(繰り返し同じことを言う、聞く等)、自分の不安状況を否定する 

不安の生理的反応: 脈・呼吸数の増加、口渇、発汗(特に手掌)、尿回数の増加、顔色の変化(紅潮もしくは蒼白)、筋緊張、排便の変化(便秘・下痢)、食欲の低下、過食、悪心、嘔吐、不眠


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