あなたのご家族や友人が専門医を受診したり、そこで治療を受ける際に、あなたはどんなことに協力すればよいのでしょうか?
受診したくても、小さなお子さんを置いてはいけないし、連れていくことも困難です。
受診の間、お子さんの世話を引き受けてくれる人がいると、安心して受診できますね。
はじめて専門医を受診する際に、多くの人は緊張し、不安が高まるものです。まずは安心して受診できるように声かけをしたり、可能であれば付き添うことも力になるでしょう。ただし、医師の診察時に、本人の話を遮ったり、代わりに説明しようとしないことも大切です。今の状態や症状については、本人の言葉で主治医に伝えられるようにサポートしましょう。
診察の際には、本人から今の状態や症状を伝えることが大切です。その上で、普段の様子や以前との変化を主治医に伝えることも、より正確な診断の助けになるでしょう。
抗うつ薬などの薬が処方された場合、内服管理は原則本人が行うものです。しかし、薬を服用することへの抵抗感や副作用の影響で、自己判断で服用を中断してしまう人も少なくありません。抗うつ薬は効果が出るまでに、通常服用後2〜3週間かかりますので、医師の指示に従って、しばらく様子をみる必要があります。
また、抗うつ薬の治療を受けて、症状が軽減した後も注意が必要です。良くなったからと言って、自分の判断で勝手に薬をやめてしまう人がいますが、それは危険です。症状が再びひどくなること(再燃)もあります。また症状が安定してからも、再発予防のためにしばらく服薬を続けることが多いのです。
本人が、決められた量を正しく服用しているか、副作用などに困っていないかなど、折を見て声かけしてみましょう。
ところで、精神科や心療内科で処方される薬について、「一度服用すると癖になって止められなくなる」、「薬に頼らず、気持ちの持ち方を変えた方がよい」などといった誤った知識によって、家族が服用をやめさせるケースもあります。それでは、症状はさらに悪化し、重症化を招きます。処方された薬を正しく服用することが回復への近道であることを、周囲の人もよく理解することが大切です。