かかわり方について

もしも、あなたのご家族や友人が産後うつ病になったら、あなたはどう関われば良いのでしょうか?

基本は支え、受け止めること

・その人がつらそうにしていたり、「もう自分はダメだ」、「母親失格だ」などと訴えられると、つい励ましてしまいたくなるのが人情だと思います。
・しかし、うつ病は励まして何とかなる状態ではありません。
・病気のためにそうなってしまう、本人としてもコントロールできないところが本当につらいところなのです。
・励まされると、「励ましてもらってもそうできない私」をよけいに責めたくなるかもしれません。
・まずは、つらい気持ちをそのまま受け止めることが大切です。
そして、「ここに私がいる」、「見守っている」ことを言葉や態度で示すことが、その人の力になり、回復へとつながるのです。

焦らない

・何とかしなきゃと思う気持ちは自然なものですが、まずはあなたが焦らないことが重要です。
・うつ病の回復には時間がかかります。しかし、必ず治る病気でもあります。
・周囲の人が落ち着いて関わることで、本人の安心につながり、そのことが回復を促進するのです。

ゆっくり休めるように配慮する

・うつ病の回復には、休養が不可欠だと言われています。
・しかし、子育てや家事をしなければという思いや、家族への気兼ね、またうつ病の症状である「焦り」によって、ゆっくり休養できず、そのことで病状が悪化してしまうという女性が少なくありません。
・周囲の人から「休んで良い」と保障してもらうことで、本人も休養しやすくなります。
・また、家事や子育てを手伝ったり、さまざまな子育て支援が受けられるようにサポートするというような実際的な援助も大切です。

聴き過ぎない

・その人の訴えを聴くこと、思いを受け止めることは大切ですが、「聴き過ぎる」と、かえって疲労感や自責感につながることもあります。
・話を聴きながら、時おり「話をしていてつらくなっていないか」と確かめたり、時間が長くなりそうなときは、次に話をする時間を保証しながら、話を切り上げるなどの配慮も必要です。

できたこと、肯定的な変化を伝える

・うつ病になると、症状のために物事を否定的にとらえがちです。
・また、たとえ客観的にみれば回復してきていても、その人の主観的世界では、苦しみが続いているので、自分ができたことや、肯定的変化にはなかなか気づきません。
・以前に比べれば夜眠る時間が少し長くなった、食べる量が少し増えた、テレビを見られるようになった、夕食の後片付けができるようになったというような小さな変化を言葉にして伝えることで、本人に回復の兆しに気づいてもらうことが大切です。

自分自身の生活を大切にする:

・うつ病は本人にとって本当に苦しい病気です。
・しかし、その家族や友人にとっても、大事な人の「憂うつ」に付き合うことは、大変つらい体験となります。
・寄り添うことは大切なことですし、本人にとって何よりの力になりますが、24時間続けることは不可能です。
・うつ病の回復には時間がかかります。支援する人が、自分自身の生活や健康を維持し、エネルギーを保ち続けることが求められます。
・途中で息切れしないためにも、時にはとことん付き合おうとせず、自分自身の生活をまず大切にして下さい。

専門家に相談する:

・苦しんでいる人を目の前にして、「どうやって関わってよいかわからない」、「治療しているはずなのによくなっているようにみえない」といった悩みや疑問を感じることも少なくないでしょう。
・無力感に襲われるときがあるかもしれません。
・そんな時には、一人で抱え込まずに専門家に相談してみましょう。
・専門家として、精神科あるいは心療内科の医師、地域の保健師などがいます。
・どこに行けばよいか分からないときは、市町村の保健センター、保健所、各都道府県にある精神保健福祉センターなどに相談窓口があります。

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